『華月さん、あざっす!』
麗龍と陽影の組員全員、計1200人での食事会。机の上には尋常じゃない量のご飯が並んでいた。
一体麗龍の食費は月何百万なんだろう、そう考えるだけで頭が痛い。
うちの組の男はたくさん食べるからこれでも足りないのは明らかだ。
食事会は私の家の第1応接室で行われた。
ちなみに零夜の屋敷でも、同様の部屋がある。
同時に1200人が会食するとなると、奥の方にいる人は豆粒ほどにしか見えないのが現実だ。
実際誰かがいなくても誰も気づけない。
それでも皆で一緒に食事をすることは意味のある事だと思う。
いつもこの量のご飯を作ってくれる人たちには感謝しかない。
「みんなでお食事って久しぶりだね!」
と美波は言う。とても機嫌が良さそうだ。
「そうだね〜!最近忙しかったよね。」
そばにあった烏龍茶を手に取りながら食事を始める。やはり食事にあうのは烏龍茶に限る。
「あ、またいつもの華月に戻ってる。」
広翔はやっと口を開き、私の方を見て微笑んだ。あまりに無口だから声を聞いたのは久しぶりかもしれない。
「ご飯の時ぐらいは、素の自分でいたいじゃん。」
正直私だってずっとこの調子で生きていることが辛くないわけではない。むしろ無理をしていると言ってもいい。
「だな。お前は本当にすごいよ。素の自分を殺してまで戦うって。」ふわっと広翔は笑った、人を幸せにする広翔の笑顔。
「戦うことが私の使命だから。」
胸の辺りを撫でながら私はそっと呟いた。
またあの日のことが脳裏によぎる。
広翔「……そうだな。」
この時母親が少し悲しそうに微笑んだ、気がした。



