闇の夜に咲く、一輪の華

『仲良さそうにしてるとこ申し訳ないけど、今は授業中ですよ?』

いつの間にか先生は私たちの目の前にいて、不機嫌そうに私たちを見つめている。
さっきからやけに香水臭かったのはこのせいか。

周りの生徒の代わりに今日こそ復讐してあげなければと私は思った。

零夜にウィンクで合図すると、零夜も黒い笑みを浮かべた。

「すみません、私たちしりとりしてたんです。
あんまりにも授業のレベルが低すぎて聞くまでもないので。」淡々と私は話す。

「そうなんですよ、俺たち語学が堪能で〜。」
同じく零夜は見下したようにそう発言する。

「それだけ言うってことは私よりできるんでしょうね?あなた達TOEIIC何点よ?」

TOEIICの点数を鼻にかけている教師は自信げにそう言う。

「え、満点ですけど?」
私と零夜は声を揃えて言う。

「ま、満点!?」

「はいそうですけど?満点以外どうやってとるですか?」
零夜はわざとらしく不思議そうな顔をする。完全に馬鹿にしている、誰でもわかるほど分かりやすくふざけている。

「どうせなら先生もしりとりやりませんか、
今はフランス語でやってるんですけど、次はイタリア語にでもしますか?」

私と零夜は冷静に、ただし多少の皮肉を含んでそう言った。

「なっ!?も、もう先生知りません!自習にします!」
教師は顔を真っ赤にして出ていってしまった。
零夜と顔を合わせて静かに笑う。

辛い毎日の中で見つけた楽しみ、だなんて言ったらバチがあたりそうだ。でも私たちにはこんなことをするぐらいしか楽しみがない。

本当に先生が出ていってしまったので、私たちは自習というなのおしゃべりタイムに突入した。

「桐ヶ谷と月城すごいね。」
私たちの机の周りに続々とクラスメイトが集まる。
先程の私たちの一連の発言に興奮しているようだ。

「でも、今のって冗談だろ?」そう問いかけてきた彼らに私達は言う。

「本当のことだよ。」
その後クラスメイトは、しりとりノートを見て驚くのだった。