闇の夜に咲く、一輪の華

『はい、授業始めます!』
入ってきたのは40代半ばの先生。
年不相応なメイクに、学校にふさわしいとは思えない派手な服装をしていて評判が悪いと聞いている。

私が嫌いな先生でもあり、クラス全体が嫌いな先生だ。自分の頭がいいことを鼻にかけているらしく、皆その自慢に飽き飽きしていた。

ただこの先生でさえ私と零夜には敵わない、敵うわけがない。

私たち二人は生まれた時から、他の人とは次元が違う教育をうけてきた。
もちろんそれは勉強だけでなく、ハッキングの技術なども学んだ。
私達の学力はアメリカの某H大学首席卒業レベルに匹敵する。

もちろんそれは学園長しか知らない秘密だ。

ずっとずっと血が滲むような努力をしてきた。小さい時から友達と遊んだ思い出は一切ない。

私の中にある思い出は、組員と稽古したことや、組員のお葬式、語学の勉強。体力増強のために励んだスポーツ、そんなようなものしかなかった。

何かを捨てなければ、何も達成することは出来ない。

かつて誰かが言っていた言葉を頼りに、今まで辛いことにも耐えてきた。

当たり前の幸せを感じることが出来ない人生。

自分ではどうしようもなかった。
この家に生まれた以上総長になることが使命だったから。
私に拒否権なんてなかった。

生まれてきたから使命を全うする。

それが私の生きる意味だった。