今朝は一段と暑い。

あれから、お姉ちゃんは一度も朝食に下りてくることはない。


でも、少し変化はある。


夜、顔を合わすと・・・何か会話がある。

今までは、まるで私が見えていないかのような態度だったのに・・


『風呂、先入るよ』

とか

『お茶入れて』

とか、そんなささいな会話。


そして、昨日は『おやすみ』と言い合った。



もう夏休みも後半・・

今日は、最後の水泳補習なんだ。


しかも・・・・・・2人きり・・???


いいのかな?


大胆な先生に、こっちがドキドキしちゃうよ・・。



校門の前に、見慣れない女子が数名座ってた。

一人は、ヤンキーですって感じの服装で、座ったまま携帯を触ってる。

もう一人、目に付いたのは、とてもおしとやかそうな女の子。

女の子というより、女の人って感じの落ち着いた雰囲気。


なんだか嫌だな・・と思いつつ、目をそらしながら校門を通過する。


「あの・・!!!すみません!!」


突然背後から、声をかけられた。

気付かないフリもできないくらい大声で・・


私は、ゆっくり振り向いた。


「あの・・・この学校に、新垣先生っていますよね?今日、来ますか?」


なんで・・??

誰???


どうして・・・??


頭の中、真っ白になって・・・


でも、答えなきゃ。


「来ると思います・・・」


それだけ言うと、早足で歩き出した。


さっき目についた大人びた女の人だった。


「ありがとうございます!!」

「ありがとね~~~!!」

何人かの声が、後ろから私に対して飛んできた。



本当は・・・言いたくなかった。

今日は、来ませんって・・言いたかったんだ・・私。