木枯らしに吹かれながら、

坂道を登る。


月は 今日も

私を見てる。




先生が話してくれたことは、

少しずつ私の中に染み込んでくるようだった。


少しずつ

理解できた。



先生が教師になる前に付き合っていた彼女との間に

子供がいるんだって。



別れた後に、妊娠が発覚した。


先生は、責任取って結婚すると言った。

だけど、彼女には新しい彼氏がいて・・

その人と子供を育てる道を選んだ。


養育費も何もいらないから、黙っていてと言う彼女に

先生は、

子供を育てられなくてもいいから・・親でいたいと願った。



新しい彼氏との子供として育てたいと彼女が言った。


先生は・・



せめて・・子供を抱きたいと言った。



彼女は、いつかバレる嘘を付いて・・

彼氏と一緒に暮らしていたが、出産日から計算して・・すぐにバレた。


先生は、

1年に1度だけ・・・


子供に会わせてもらえることを条件に・・

身を引いた。



彼女に対して、愛情はもうなかったらしい。

だけど、自分の子供の命は・・

とても大切で・・


子供の父親になりたいと・・


心から思ったんだって・・