離れない。離さない。


美味しすぎて泣きそうになっていると、仕事終わりの旦那さんが面会に来てくれた。

わたしがごはん食べている姿を見て目を丸くしたあと、

「ごはん食べられるようになったんだね。良かった…」

安心したように微笑んでくれた。

「うん!すっごく美味しい!!食べられるって幸せーっ!」

「…俺にはこの食事、不味そうに見えるけどな」

「ふんっ、わたしとってはご馳走ですぅー」

「ハハッ、そうですか」

旦那さんとこうして談笑しながらごはんをパクパク食べられるなんて、半日前のわたしには考えられないことだったな。

「あぁ、そうそう!退院出来るの明日のお昼頃の予定だってさ」

「えっ!!明日っ!?」

昨日手術終えたばかりなのに!?

いくらなんでも早過ぎやありませんかっ?

驚きのあまり、もう少しで完食ってところでお箸がピタリと止まる。

「術後の経過が順調だから退院した後無理をしなければ許可してくれるんだとさ」

「…っっ、やったぁぁー!!」

「っ!!ちょっ、声大きいって!」

「ごっ、ごめん…!」

ハッとしてすぐ口許(くちもと)を手で覆(おお)って謝った。

「明日の朝イチに担当医がちゃんと診てくれて、そこで退院かどうかを最終的に決めるらしいんだけどね。でも、ほぼ確実に退院出来るみたいだよ」

やっと動けて、ごはんも食べられるようになったら、明日もしかしたら退院出来るかもなんて、今日は良いこと尽くしだっ!