離れない。離さない。


「体、起こせる?」

うん。そう頷いて勢いよく上半身を起こした。

途端。

「っ!?」

激しい気持ち悪さと目眩が襲ってきて冷や汗が顔から体から一気に吹き出る。

「え?どうしたの!?」

わたしの尋常じゃない様子にお母さんはビックリして、すぐにナースコールを押した。

「どうしました?」

「娘の様子が…っ」

看護婦さんが早足でやって来て、視線はわたしから外さずにお母さんに状況を聞く。

「喋れる?どうしたのかなぁ?」

わたしは目眩と気持ち悪さでそれに応える事が出来ない。

それを確認した看護婦さんは、わたしの指先に酸素濃度を計る器具をつけ、続いて血圧と体温も計る。

「ん、どれも平常値。麻酔がまだ抜けきれていないのかも知れません。抜けきるまでもう少し時間かかるかも」

お母さんは「平常値」と聞いて少しホッとして、看護婦さんに「娘の汗が凄いから寝間着を着替えさせてもいいですか?」と、確認をとる。

看護婦さんはそれに対して快諾すると、

「ついでに今つけている色んな管も外しちゃおうかっ」

ニッコリ。