離れない。離さない。


手術当日。絶食4日目。

この日は、朝からこれでもかと言うほどの快晴で9時から手術予定なので看護師さんが6時に起こしに来たときにはわたしはもうバッチリ起きていて、

「もしかして、眠れなかった?」

そう心配そうな問いにわたしは目をギラギラさせながら、

「いいえ、眠れました。4時間くらい」

ビシッとした声音で答えたのに何故だかクスクス笑われてしまった。

「じゃあはい、これ履いてね」

渡されたのはメッシュ生地の…

「靴下?」

指先のないハイソックスぐらいの長さのそれを不思議な感じで見ていると、

「それ、手術の時に結構大事だから。履いてね。いま。上手く履けなかったら履かせてあげるから」

そうなんだぁと大して深く考えずに少しキツめのそれを履いてゆく。

そうこうしていると、旦那さん、うちの両親、ご両親が続々と病室に集まってきた。

それを見て、本当にいよいよ手術なんだ…と、心臓のドクドクがヤバくなってきた。