イジメが始まったのは中学2年生の時だった。

当時仲の良かった友達3人と定番の恋バナに花を咲かせていたとき、「萌奈って好きな人いるの?」と聞かれた。

まだ誰かを好きとかそういう感情がよくわかっていなかった私は「いないよ」と正直に答えた。

それがきっと3人の癪に障ったのかもしれない。

自分たちは好きな人の名前を挙げたのに、私が答えなかったから。

隠し事をしていると思われたのかもしれない。

いや、そうではないかもしれない。

あれが決定打になっただけでもしかしたら以前から3人は私を嫌っていて私をグループから追放するきっかけを探っていたのかもしれない。

そもそも3人とは趣味も性格も合わなかった。

それでも、女子はどこかのグループに入り群れなくてはならない。

3人は常に誰かをやり玉にあげ悪口を言い、ターゲットを決めては無視するのが常だった。

あの当時、私は3人に無理をして合わせることしかできなかった。

けれど、女の友情なんて壊れるときは本当に一瞬だ。

翌日、3人に挨拶をしても誰も返事をしてくれなかった。

その翌日には、私のあらぬ噂がクラス中に広がり口をきいてくれなくなり、

さらにそのまた翌日には、部活動の友達にも私が嫌われているという話が広がった。

嫌われている人と友達でいるということは、自分も嫌われ者ということ。

そういう感覚をみんな持ち合わせていて、嫌われ者の私はすぐにみんなから距離を取られ、誰も言葉を交わしてくれなくなり、あっという間にひとりぼっちになった。

あんなに必死になって友達ごっこをしていても、結果はこれだ。