「今日は泊っていくのよね?」

「……へ?」

泊まる?あたしが?萌奈の家に?

「い、いえ!!そんな突然泊まるとか迷惑かけられない――」

「リリカちゃんは迷惑なんかじゃない。萌奈にとってもリリカちゃんは大切なお友達なの。時には誰かに甘えたっていいじゃない。人に頼ることも時には大事なことよ?自分のこともっと大切にしてあげて」

喉の奥がひゅっと詰まった。

なんだか最近、涙腺がバカになってしまったのかもしれない。

目頭が熱くなり、ぐっと奥歯を噛むと同時に玄関の扉が開いた。

「ただいま!!」

萌奈の声がする。

涙が溢れないように顔を持ち上げると、萌奈のお母さんがにっこり笑った。

その優しい笑顔につられて微笑むと、鼻の奥がツンっと痛んだ。