しばらくそのままでいた。何もする気が起こらなかった。

体中、あざだらけだ。こんな姿じゃ学校にも行けやしない。

体を仰向けにして大の字で寝転ぶ。目をつぶって神様にお願いする。

夢の中でだけでもいい。愛されますように。母から、無償の愛をもらえますように……。

「――ちょっと、リリカ!聞いてんの?」

「あ、ごめん。ぼーっとしてた」

目の前で手のひらを振られてハッとする。

「じゃじゃーん!!ねぇ、これ見てよ!!」

放課後、すずがバッグの中から分厚い何かを取り出した。

「なにそれ。アルバム?なんでそんなの持ってきたの?」

「実は、これあの子の中学の卒アルなの」

「あの子って誰?」

「青木萌奈」

「萌奈?何のために?」

いぶかしげに尋ねると、二人は目を見合わせて笑った。

「リリカ、知ってた?あの子の過去」

「どういうこと?」

「隣のクラスの子がこれ、貸してくれたんだよね。で、そのときちょっと驚きの話聞いちゃって。青木さんって昔イジメ――」

「――やめなよ」

あたしはすずの手から卒アルをひったくった。