私は一瞬、本当に死ぬべきか悩んだ。まだ若いからやり直しが出来るはずだ。親に頼んで転校して一から始めるのも良いかもしれない。
 だけど、その悩みは教室から聞こえる声で弾け飛んでいった。

「そういえば、まだトロ子は来てないの? 本当、グズでノロマで駄目な奴だよね〜」

 それからはあっという間だった。
 私は勢いよく扉を開けて窓際で友達を談笑しているあいつに歩み寄った。そして自分が死ぬ為に持っていたカッターナイフをあいつ目掛けて振り下ろした。