彼は片手を突き出して私の言うことを遮る。もしかして私の気持ちに気付いてくれて彼の方から告白してくれるのかな?

「君の気持ちはなんとなく察したけど、君からの言葉も僕の返事も待ってくれないか?」
「え? どういうこと?」

 私の気持ちを分かっているのに、どうして返事をくれないの?

「実は今まで黙っていたけど、恋愛アレルギーなんだ」
「恋愛アレルギー? 何それ、私をからかっているの?」
「そうじゃない! 結構深刻なものなんだ。互いに思いが通じ合うと分かると、最悪の場合死んでしまう」
「そんなアレルギー聞いたことないわ。誰がそんなことを言ったの?」
「僕は両親から聞いた。耐性がないから成人するまで恋愛をしてはダメだって」