「ほんとなんなのあの匂い!」
女子更衣室に響く鞠の声。次の授業は体育だ。
「臭すぎなんだけど!最悪!」
先生の香水の事だろう。確かに臭くて気持ち悪くなりそうだったけど。
「仕方ないよ。香水って慣れてくると匂いが分からなくなるって言うし、それでわかんなくなっちゃったんじゃない?」
「そうかもしれないけど…でもあの恰好はどう説明するの?スカートもワイシャツもピチピチ過ぎてはち切れそうだったわよ?それに、あの化粧!キャバ嬢かってぐらいの厚化粧だったわ!」
「きっと彼氏が出来たんだよー。それでお洒落したくなったんだと思うよ!」
「態々学校に?物静かだった人がそう簡単にビッチに変わると思う?」
「んー、この後彼氏さんと会うんじゃない?」
「ふん…まあ、ダーリンと会うってなったら気合入れる理由は分からなくもないけど…」
鞠も彼氏さんと会う時は必ずお洒落にするもんね。鞠可愛い~~。


