「や…やまと、どうしよう…!」
小声で話す焦り気味の私に向かい、和は微笑み唇に人差し指を置いた。
シーっと言う声も表情も綺麗で格好良くて、またドキドキする。
聞こえそう。
…だけど離れたくない。
自分からもぎゅぅっと和に抱き着く。
「っ……、お嬢って、ほんと…」
……やまと??
顔を上げると口元を覆う和がいた。
耳まで顔が真っ赤になっている。
「花、見なかったか?」
「俺等がもう近付けないの知ってるだろ」
「だよなぁ~~…?はぁ、花が部屋に居ないんだ。他の奴等が言うには、ウキウキで部屋から出たらしいって事は分かるんだが…」
………見られてたっ!
大きく手を振って、スキップ交じりに出たの誰か見てたんだ!
「花見つけたらすぐ部屋に戻るよう言ってくれ。あ、でもくれぐれも近付き過ぎるなよ!近付いて良いのは花の愛する俺だけだっ!」
「……ああ。気を付ける」
溜息を吐いてパパは居なくなった。
戸が閉まり、ホッと安堵する。
そんな私の背後から湊が抱き着いた。
「和だけか?俺には?」
耳元で聞こえる湊の低く優しい声。
「み、なと…ゾワゾワするー…」
「そこはドキドキしとけよ」
ちゅっ、
リップ音が近くで聞こえてくる。
振り返る私の顎を持ち、湊の唇に近付く。
「和…いつまでもぼーっとしてんじゃねぇよ」
「っ、うるせ、」
湊は和に向かいニヤリと笑った後で、私に視線を戻し唇を重ねた。


