「………おめーら、随分遅い帰りじゃねーか」
玄関で仁王立ちのパパが和と湊を正座させた。頭にはたんこぶ二つずつ。
「パパ聞いて!違うの!寄り道してたの私の方!」
「はぁ~い。パパだよ~!うんうん。花もこれから気を付けようねっ!」
デレデレ顔で頭をよしよしされた。
和と湊の対応とは雲泥の差だ。
私の手には甘いカフェラテがある。
「……真っ直ぐ帰ってくることぐらいできないのですか?」
「久しぶりに飲みたくて…」
リヒトさんの超大きい溜息が響いた。
「和、湊。仕事だ。着替えろ」
「「…了解」」
あっ…もう行っちゃう。
二人に向かって伸びた手が、リヒトさんに掴まれ握られた。
「花さんは部屋に戻りますよ」
「え?わぁッ!!?」
またも担がれ部屋へと直帰。
……もう少し一緒にいたかったな。
なんて思うけど、仕方がない。
だって私達の事は秘密にしようって和と湊と決めたから。
学校の時会えるから大丈夫だもんねー。
あと数時間後には夜で、寝たらあっという間…、


