二人の頬に交互にキスを落とした。
好きの気持ちを込めて。
目を見開き私を見る二人が面白くて、笑いが込み上げてくる。
「…っ……お嬢。今の…」
「……なにを、」
そんなの決まってる。
「私ね。和と湊のこと……、」
ピタッと言葉が止まった。
背後からの黒い物があまりにも禍々しくて、振り返るのを躊躇した。
「何をしているんですか」
「っっ…、」
リヒトさんだった。
冷たい汗が流れていく。
呼吸がしずらくて…。
「お嬢、大丈夫だよ。僕達がいる」
「お嬢、安心しろ。俺等がいる」
…っ、和、湊。
「お嬢が怖がってるだろ?」
「その手を離せ。言ったはずだ。金輪際と近付くなと」
「…ああ、そうだったね。でも仕方ないだろ?偶々近くを通っただけだから」
「もう一度言う…その手を離せ」
ピリピリとした空気。睨み合う三人。
「近付けば…容赦なく排除すると言ったはずです」
…ッ、!
「リヒトさん!やめて!」
多分本能的だったんだと思う。二人が危ないって感じたんだ。
「お嬢。僕達は大丈夫だから」
「そんな事しなくていい」
「でも私…大切な和と湊には傷付いてほしくない…それって駄目な事?」
そう言うと二人は同時に目を見開き顔を赤らめた。
口角をひくひくと動かしている和と湊。
「和?湊?…どうしたの?何処か痛いの?」
二人の額に手を伸ばし当てた。
熱は無さそうだけど…。
もしかして具合悪いとか?


