「ッ…、どうして、留華を殴ったの?」



目を逸らし、震える声で言った。



「違うよお嬢…先に手を出したのは、」



無傷な和と、怪我をした留華。


和の拳が赤くなっている。
…和が留華を殴ったんだ。


手加減無しで。



「僕は避けたから何ともないだけ。
それに…不知火さんはわざと当たりに来て、」



留華は痛がる素振りはしていない、けど。態々自分から痛い思いをする方を選ぶのかな。



「お嬢、僕の方向いて?」



和の手が、私の手に絡む。
───その瞬間、




「ッッ!」




その手を弾いた。