天然お嬢と双子の番犬さん



秋季は空気を含んだように、口を開いた。
リヒトと視線は合わせず顔を逸らす。


「……あいつに、お前の母親に…選択を迫られた」


震える声がする。



「………置いて行かなければ……お前を売ると」

「売る?…ハハッ、俺は所詮売られる事が決まっていた。だからこうして、」

「違う…そんなもんじゃない」



眉間にしわを寄せた秋季がリヒトの方を向く。



「売るのはお前の臓器だった」



小さく、でも力強い真剣な眼差し。



「…っ、お前を攫い臓器を売ると言われた。全部の臓器を売ると。

それならと、離婚事態を取りやめにすると宣言したが…あいつは、不倫相手と一緒になる為に離婚は、決定事項だと言われてしまった。


お前を無理矢理にでも連れて行きたかったのは本心だ。
…だが私の仕事上、常に隣にいる事は出来ない。


その間にお前を…リヒトが攫われてしまえば。そうなれば私は…耐えられるはずがない。

だから、ずっと機会を狙っていたんだ。ようやくあいつがいなくなって、私はすぐに向かいに行ったんだ…それなのに」