「そうよ。この学校には学年ごとにカースト制度があるのよ」

「詳しく聞いてもいい?」


和が微笑むと鞠は露骨に嫌な顔をした。

そして一言「花の為に教えてあげるんだからね」と言ってから話し始めた。



「三年の京極 海斗(キョウゴク カイト)、二年の犬飼 聡介(イヌカイ ソウスケ)、一年の西園寺 丞(サイオンジ ススム)…今はこの三人が学年ごとのリーダーよ。

そして今のトップは二年、犬飼聡介。

元々は三年がこの学校のトップだったけど。最近下剋上で負けたの。だから今は二年が支配してるわ」



へぇ、そうだったんだ。
興味無くって全然知らなかったな~。



「そいつ等に目を付けられなきゃいいのかな?」

「ええ、そうね。そうすれば学校生活はバラ色じゃないかしら?」



棘のある言い方に「他にもあるのか」と和が言った。鞠は大きな溜息をつく。