イントネーションも結構難しくて吃驚。フィンランド人の苗字って難しい…。
「不快な思いさせてごめんなさい…」
「いいえ。確かに日本人には馴染みのない苗字ですから。お気になさらず」
……本当にそう思っています?
表情が硬すぎて良く分からない。
「五十嵐花さん。貴方の行動を二日ほど見させていただきました」
……えっ、
「川辺での遭難。自室待機を命じられたにも関わらずの逃亡。他の方との交流も避けるよう言われていたはずですが、それも無視……本当に進学校生徒ですか?脳ミソ機能していますか?」
すっごい言われようっ!
「とにかく、人との関りは金輪際一部のみとさせて頂きます。特にあの若頭のお二方との接触を完全に絶っていただきます」
「なんで禁止されなきゃないの!」
「それが私の仕事だからです。仕事を増やされても困るので、黙って言う事を聞いてください」
何その仕事!!
私がどうしてそんないう事聞かなきゃないのっ!
「…まあ、構いません。行くのならお好きにしてください」
さっきと言ってる事が違うけど…でもそう言うなら好きにさせてもらうもんね!
「私から”逃げられる”というのならの話ですが」
と、言うと立ち上がった。
私の事また馬鹿にしてる…!
「……それからこれは、お願いになりますが」
黒い手袋を引っ張る素振りをしたリヒトさん。サングラス越しに目が合っているように見えた。
「貴女から私に触れる事だけは辞めて下さい」
私から…?
それだけ言って、私の部屋から出て行った。


