天然お嬢と双子の番犬さん



………本当笑わない人。


「えっと…酒井さん?」

「もう酒井ではありませんので、そう呼ばれるのは癪です」


酒井じゃない?


「苗字が変わったって事?」

「今は母方の方を名乗っていますので」


そう言えば…先生に奥さんと子供がいるなんて聞いた事無かったかも。


「あまり深追いしないでいただけますか。不愉快です」

「え、あっ…ごめんなさい…」


溜息ばかりで幸せが逃げ出しそうな人だ。


「…改めまして。本日より五十嵐花さんの用心棒として仕える事になりました。リヒト・ヤルヴィネンと申します。以後お見知りおきを」


そう言って胸に手を当て、頭を下げた。

えっと…、


「や、やる…ヤルヴェネンさん??」

「……ファーストネームで構いません」


あ…もしかして発音間違えたかも…?