天然お嬢と双子の番犬さん



「───────花!二人から離れなさいっ!」


パパに身体を引っ張られるが、私は必死に抵抗中。


「イッ、ヤッ、ダッ!!!」

「っ…お嬢、痛い…」

「はなあぁ!!」


和と湊にしがみつき離れる気は無いと猛抗議。


「和と湊ももっと踏ん張ってよ!」

「「………っ、」」


じゃなきゃ…本当に…、


大きな溜息が聞こえた。銀髪の人のものだった。


「…何してるんですか。貴方達は」

「なっ…おま…!良いから手伝え…!」


更に大きな溜息をした後で、その人が私に近付いた。


っ…離れてたまるかっ!!


伸びてくる黒い手袋を付けた手に危険を察知し、更に二人に強くしがみついた……はずだった。


「え…?」


簡単にベリッと剥がされた。


湊も和も何もしてない。
目は見開いていたけど。


「タイミングが合えば簡単に出来る事です」


彼は「あっ」なんて声を出して、


「主語を忘れていました。重心です」

「よくわかんない!それより離して!!」


バタバタと暴れる私を気にも留めず、


「ひゃっ!?」


担がれた。


こ、この人!背が高い…!

思えば湊とほぼ変わらない目線だった。つまり190cmに近いって事になる。


「おい!!花をぞんざいに扱うな!減給するぞ!」

「仕方がないでしょう。我儘ばかりで仕事にならないのですから。それに減給するなら辞めればいいだけです…はぁ、本当面倒くさい」

「黙れー!酒井ジュニア!無駄にあいつに似やがって!」


酒井ジュニア?
それって……もしかして酒井先生の事?