天然お嬢と双子の番犬さん




放課後、バイトに向かう鞠に手を振ってお見送り。周りの帰り支度を見ながら机に突っ伏した湊につつく攻撃。



「…んぁ゛?」



うっわ、寝起き悪っ。
舌打ちまでされちゃったよ。


寝惚けながら何かを探すような素振り。
これはきっと煙草の箱を探してる動き。

だってほら、この制服に内ポケット無いのに手いれてるし。

イライラしてる湊の口に棒付きキャンディをポイ。



「これで我慢してね!」

「……甘っ、」



包み紙を見ると、いちごみるくと書かれていた。


…あちゃ、間違えた。

本当は珈琲味のにしようと思っていたし、むしろそれは私が食べようと思ってたやつ。普通に間違えた。



「文句言うなら返せー!私が食べる!」

「は?食ってる飴だぞ。何言ってんだ」



それ好きじゃないって顔しててよく言うね!
眉間のしわ、とんでもない事なってるよ?