「俺はこっちだよ」



留華だった。

顔の横に留華の顔がある。
抱きしめられた体が宙に浮く。



───留華の胸の中。



優しい音がする。留華は…鼓動動さえも優しいんだ。



ポタッ、



「うっ、ヒクッ…るかぁ…」



首の後ろに手を回す。頭を撫でてくれる留華に涙が止まらなかった。



暖かい…。



「やめろ!」



突然の大声にビクリと震わせ、涙が止まった。




「お嬢に触んな」




背後からの殺気、低い声。
湊が私に手を差し出した。



「お嬢…俺の所に来い」



何度も落ちる赤い液は、真下の黄色にクッションを赤く染める。