天然お嬢と双子の番犬さん




大人しく…か。

それなら、と。
取り出したのはスマホ。

鞠が送信してきたURLを確認する。

帰り際にも念押しされた圧を思い出す。


…勉強って事は参考書って事だよね?

なんの参考書だろー?
私の苦手な国語かなぁ。


「……恋愛小説…サイト?」


開いた途端、思わず声に出してしまった。想像していた中身とは雲泥の差だったから。


小説?なんでだろ?
……あっ、そっか!


「これで文法の勉強をしなさいって事だね!」


流石、鞠!


──────どれぐらい経ったか、分からなくなった。ただ自分でも吃驚するほど真剣に見ていたと思う。



「……和と湊の方がイケメンだもん…」



小説の中に出て来た学校一のイケメンさん。そんな人に何故かムッとし、声が出たのが数分前。

幼馴染二人の恋模様。イケメンさんに恋する幼馴染の女の子。そんな恋愛を私は時間も忘れて見入っていたみたい。


顔を見るとドキドキする。傍にいるだけで幸せな気持ちになる。他の女の子と居る所を見てモヤモヤする。


”もうっ!分かるでしょ!?最近のそれ!”


…………あれ?


なんだか思い当たる節がある気がするのはなんでだろ?


そんな中小説内で事件勃発。心の中で助けを求めたのは、沢山出て来る登場人物の内一人だけ。幼馴染のあのイケメンさん。


……心の中で。私は誰を考えたっけ?


自分が危険な目に合った時。

攫われた時も、落っこちてしまった時も、無意識に私は……?


まだ結末も分からないそんな良い所。
私はスクロールせず、固まっていた。


暫くして暗くなった画面に写る自分の顔は、目が大きく見開いていた。