脱げかけの浴衣。
左肩に湊の息がかかる。




昨日の留華と同じ、指の本数と感触。
していることは全て同じ。なにもかも。


それなのに───、




「いない?…あの猫が仲で暴れてた、か?」




服の擦れる音がした。


…もう行ってしまう。




ま、って。
待って留華…!



行かないで。



ガリッ…!



「───ッ!!」



口の中で鉄の味がした。