***
ガサッ、
さっきまで花がいた山の中。葉を踏みしめる音がした。
黒いサングラス越しに誰かを見ている。
「───────五十嵐花、」
全身黒い服に身を包んだ男は、黒の手袋を引っ張る。
銀色の長い髪を束ねた姿。
男は内ポケットからスマホを取り出した。
誰かに電話を掛けている。
『おう、どうだ?』
出たのは竜二だった。男は無表情のまま溜息を吐く。
「…聞いていた以上に動き回りますね」
『はは!花はそういう子だ。しっかり見て無いと大変だぞー?』
「はぁ。それなら繋いでしまえば良いのでは」
『馬鹿野郎!花が嫌がるだろ!!』
「……面倒ですね」
男は竜二の話を半ば強引に終わらせた。
スマホを戻した後、黒いワイシャツに視線を向ける。
黒色に混ざる、別の色。
男は更に溜息を吐いた。
「五十嵐花のせいで、買換えですか…はぁ、本当に面倒ですね」
そう言うと地面に落ちた大きな影を掴む。
それは茶色い毛のした生き物だった。男は自分よりも大きなそれを溜息交じりに引きずっていた。
「……熊肉は苦手ですが、仕方ありませんね」
男は小さく呟いた。
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ガサッ、
さっきまで花がいた山の中。葉を踏みしめる音がした。
黒いサングラス越しに誰かを見ている。
「───────五十嵐花、」
全身黒い服に身を包んだ男は、黒の手袋を引っ張る。
銀色の長い髪を束ねた姿。
男は内ポケットからスマホを取り出した。
誰かに電話を掛けている。
『おう、どうだ?』
出たのは竜二だった。男は無表情のまま溜息を吐く。
「…聞いていた以上に動き回りますね」
『はは!花はそういう子だ。しっかり見て無いと大変だぞー?』
「はぁ。それなら繋いでしまえば良いのでは」
『馬鹿野郎!花が嫌がるだろ!!』
「……面倒ですね」
男は竜二の話を半ば強引に終わらせた。
スマホを戻した後、黒いワイシャツに視線を向ける。
黒色に混ざる、別の色。
男は更に溜息を吐いた。
「五十嵐花のせいで、買換えですか…はぁ、本当に面倒ですね」
そう言うと地面に落ちた大きな影を掴む。
それは茶色い毛のした生き物だった。男は自分よりも大きなそれを溜息交じりに引きずっていた。
「……熊肉は苦手ですが、仕方ありませんね」
男は小さく呟いた。
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