ほんの少しの記憶。和と湊の優しくて私を気遣う様な声。
「全部…私の為だったのにっ、」
私の気持ちを落ち着かせるためにキスをして。
私の身体を元に戻すために、身体を触った。
───────和と湊がいなきゃ、私はどうなっていただろう?
「…っ、お嬢泣かないで」
和が私の頬を撫でてくれた。だけど涙が溢れてくる。湊はそんな私の涙を指で拭い、鼻水を袖で拭ってくれた。
痛々しい湊の包帯。
「噛んでごめんね。湊。痛い思いさせて」
「…俺は何ともねぇよ」
辛く泣き出してしまいそうな和の表情。
「分かってなくてごめんね。和…私知ろうとしなかった」
「……お嬢…、僕は…僕達はそれでも手を出したのは事実だよ」
───────分かってる。
留華の言う念書に書いてあるんでしょ?
でも、私は………、
「二人から離れたくない」
傍に居たい。ずっと。
「「っ……、」」
抱きしめられた。
大きくて暖かい二人に。
「僕も離れたくない」
「俺も傍に居たい」
………っ、
耳元で聞こえた和と湊の声に心臓の音が大きくなる。
「好きだよ。お嬢」
「好きだ。お嬢」
ずっと私が言ってきた言葉に私のドキドキは加速して…、
「……わ、わたしも…大好きだよ…」
いつもみたいに二人の顔が見れなかった。


