パパの部屋に戻った私はボーッとしていた。
目の前には沢山のお菓子と飲み物。
パパが用意してくれた私専用だ。
和はあの後、私を抱えパパの部屋に送ると、何も言わないまま居なくなった。
…………言ってくれなきゃわからないよ。和、湊。
プルルル、
着信音がしてビクリと身体が跳ねた。
画面には…、
ぱあっと明るくなる気持ちのまま通話ボタンを押す。
『もしもし?花?今大丈夫かしら?』
「うんっ!」
数日振りの鞠の声だった。
最初は他愛もない話から入る。連休何をしているかとか鞠の近況報告とか。
いつの間にか部屋にいたリンと猫じゃらしで遊びながら。
暫くして鞠からある提案をされる。
「バーベキュー?」
どうやらこれが本題だったらしい。
『ええ!良かったら花も、って思ったのよ』
にゃんにゃん、言いながらと跳ねるリンの爪に猫じゃらしのリボンが絡まった。肩にスマホを挟め、解きながら会話を続ける。
『明日ダーリンと川辺でやるつもりだったの。でもどうせなら花とも一緒にしたくて。それに…連休中、花に全く会えないなんて寂しいわ……まあ急に誘ったし、無理なら大丈夫よ?』
鞠っ……!
「私も会いたい!」
確かに悲しい!だって鞠の事大好きだから。
電話越しに鞠が喜んでいるのが分かる。
『良かったわ!…あ、そうそう。あの従兄弟達も呼んでいいわよ』
「え…和と湊も?」
ハァっと溜息が聞こえてきた。


