映画のワンシーンみたいに。私はそっと目を瞑った。
唇同士が触れた時、胸が張り裂けそうになるぐらいの高鳴りがしたんだ。
「……ん、んっ」
唇が触れてすぐ離れた。
だけどすぐに押し倒された。
「ごめん…ごめん。お嬢」
「和?どうし……んっ、!」
また唇が重なっていた。
角度を変えて触れる唇。
荒くない触れるだけのキス。
───────だけど次第に変化する。
苦しいっ…。
息を止めているから、何度も絶え間なくキスされてもう限界だった。
「っ…ん、はっ…んんっ!?」
自然と開いた口の中に、生き物のように入って来る舌が絡まり始めた。
な、なに…?和の舌が入って…?
「ん、うっ…!!」
漏れる吐息。困惑する頭の中。
息が出来ない、そう思うタイミングで和は離れた。ひと呼吸おいてからまた重ね合わせる。
………こんなの知らない。
痺れる手足と真っ白になる頭の中。
息をする度に、和の唇が重なる度に、和の舌が絡み合う度…力が抜けてしまう。
「…は…ぁ…、」
「…っ、ごめん。お嬢」
なんで和は謝るんだろう。
「最後…次最後にするから」
その言葉は何度目だろう。
───────でも全然嫌じゃない。
苦しいけれど、初めての事で分からないけれど、どれも全部心地いい。


