俯きかけて止まる。
湊の手が顎の上に乗ったから。



「どうしっ、」



突然のおでこにキス。
驚きで目をぱちくり。

そのまま流れに乗って、目尻、頬とキスを落とす。



ど…どうしたら???



イマイチ状況が分からない。



「──…チッ」



ッ───!?



急に真っ暗になった視界。手じゃない、別の何かに縛られているような感覚だった。


な、なに…?


付いていたそれに指を掛けようとして止められた。手首を握られたのだ。



「ッ、湊!?これ──、」



───あれ。
手首が…動かない?


背中に回された両手首。
がっしりと何かで縛れらている。


…動けない。


動揺している私の前の気配が消えた。