和は無表情のままだった。唇を擦り、ジッと私の顔を見ているだけ。
「でもきっと僕の方が数百倍上手いよ」
………っ、それは。
色んな人としてきたから?
「…どうして悲しい顔するの、お嬢」
だって……。
「他の人としてきたからかなって思って…」
私は…したことないのに。
和と湊は沢山慣れてるんだって思ったら…、
「………やっぱり気持ち悪い?」
左右に首を振る。だって本当に思ってないから。
「無理…しなくていいよ」
「無理してない…ただ…、」
ズキズキと胸が痛む。
今していたのも全部…、私以外にもしてるんじゃないかって。思っちゃったら……、
「ごめん。お嬢」
抱きしめられて、手のネクタイが解かれた。
「あれ全部遊びだって言ったら…お嬢はどう思う?」
「…?ゲームしてたの?」
「ハハ…うん。そうだね。何度も女を変えて…遊んでたんだ」
「………湊も?」
和は左右に首を振った。
「…ほとんどは僕だよ。湊は偶に。だから…湊の事は嫌いにならないで欲しい」
留華の持っていた写真は、何故か和の方が多かった。枚数も女性の数も。
「僕の事は……嫌いになっても良いよ。それぐらいの事をお嬢にしたし、してきたから。お嬢が僕を拒絶するのも分かるよ」
「そんな事…、」
「ううん。無理しないで」
ああ…また。
そんな顔してるの…?
「もう欲は言わない…だけど一回だけ。一回だけでいいから」
私の頬を包む和の手。ほんの少しの温かさに鼓動が早まる。
「僕とキスして」
あまりにも綺麗で私の目は奪われてしまった。


