私を見つめる二人の瞳は…いつもよりも悲しそうだ。
「お嬢…ごめんね」
……え?
「急に大声出したりして」
「あ…えっと、大丈夫だよ!」
確かに吃驚はしたけど…謝るのは私の方で…。
「………あの時の事思い出したって湊に聞いた」
………っっ、
ほんの少しの記憶が頭の中でかすめてる。
「ごめん…お嬢が僕達の事を嫌になるのも…良く分かるよ」
「嫌って…私そんな事思ってなんか、」
「嘘付かなくていい。俺等が…俺がお嬢を怖がらせた」
……まただ。
胸が痛い。
和と湊がそんな顔を他の女の人にもしてるんじゃないかって。この後で会うんじゃないかって考えてしまう。
それが凄く──────、嫌で仕方ない。
「……………念書って書いたの?」
和と湊の動きが止まる。
「…なんの事?」
とぼけたように言うけれど。やっぱり知ってるんだね。
分かるよ、私には。
「留華が言ってたよ。…私の番犬になるにはパパの決めたルールがあるって」
「………アイツ、」
きっとパパに私には言うなって言われてるんだ。だから知らないふりをしてるんだ。
「………和と湊は破ったことになるの…?」
”キスも、セックスも。お嬢を愛する事も。全部禁止って事。”
「「っ…、」」
何も言わない二人。
──────留華が言う前に止めて良かった。
もしパパが知ったら……、きっと私達は留華の時のように離れ離れにされていた。


