天然お嬢と双子の番犬さん



畳の部屋。救急箱のある場所。
大量にある薬と薬品の中から、消毒液を取り出した。

お互い黙っていて、静かな空間だった。
──────こんな事は初めて。


「ッ…、」

「湊、ごめんっ!」


消毒液を付けられた湊が顔を歪めた。

………そうだよね。痛いよね。


こんな手から血を流してて痛くないわけがない。


「………本当にごめんね、」


何について謝ってるんだろう。

消毒液をかけ過ぎた事、指を噛んだ事、拒んだ事、約束を破った事、二人に悲しい顔をさせた事……思い当たる節が多すぎて、どれについてかもう何も分からない。



「「お嬢」」



和と湊が渇いたように笑ってる。


「…流石に巻き過ぎ」

「少し大袈裟すぎるかな」

「え?…あ゛!!」


包帯をこれでもかと巻いていた。

考え事をしながらやってたから…!


慌てて解こうとするが、まさかのごちゃごちゃに。慌てすぎてて自分の身体に巻き付けるほどの焦りようである。


「いっ…にゃー!?」


和と湊が笑い出した。


……………………笑った。



「焦り過ぎだっての」

「今解くからジッとしてて」



…っ、どうして。


「……結構巻いたね」

「なんでここで固結びなってんだ…?」


あんな事したのに笑ってくれるの?