「今日は甘えん坊だな」
頭を撫でてくれたパパに思わず目がうるっとしてしまう。
「親父、今からお嬢にこの怪我を手当してもらう予定なんだ」
そう言ったのは留華だった。
自分の頬を指差し笑う。
「だから、お嬢を少し借りても…」
「黙れ」
パパの私に向けた優しい声色が、低く真逆の声色に変わった。
「それぐらい自分でやれ。怪我の手当なんざ一人で出来なくてどうする。そんな奴がマフィアのボスを語ってんじゃねぇよ」
…っ、パパ?
抱きしめてくるパパの力が強くなった。まるで留華の事から私を守るような…そんな風に。
「湊、それどうした?」
パパの言うそれは多分…私が噛んだ指の事だ。
「………包丁で切った」
湊は嘘をついた。それは私の為にいったからなのか、はたまた自分の保身の為なのかは分からない。
「……そうか。和、手当してやれ」
「パ、パパ!私が…手当してもいい?」
「花が?…ハハ、上手に出来るのかー?」
笑うパパが私の頬を軽くつねった。
さっきまでの怖いパパは居ない。
「で、できるよっ」
「おーおー…、成長したなぁ。和、傍に居てやれ」
「……了解」
髪の毛をわしゃわしゃされてしまった。


