留華の唇が内ももへと触れた。
「……ッ!!」
噛まれた時ほどじゃない。だけど痛みを感じた。
…っ、うそ。
留華の唇が触れていたところだけ、背中の虫刺されと同じようになっていた。
「分かった?こうやってあいつ等はお嬢の身体に沢山残したんだ。お嬢の許可無く、勝手に触って貶した。怖かっただろ?ごめん。俺がもっと早くあいつ等からお嬢を離していればこんな事にはならなかったのに」
全部記憶に残っているわけじゃない。どうしてそういう事になったのかも、全く覚えていない。分からない。でも…、うろ覚えの和の言葉が。
”…最後までしないから。でも嫌だったら言って。”
──────そんな優しい言葉と声が離れない。
理由もなく、あの二人がそんな事をするの……?
私…とんでもない勘違いをしているんじゃ……、
「お嬢、」
留華に名前を呼ばれ身体が揺れた。
さっきまでの留華じゃない。笑顔も何もない。
「俺がまたお嬢の事を守るよ。あいつ等じゃなく、俺がお嬢の番犬になる。やっとこれで元通りだ」
思わず後退ってしまう。
だって今の留華は…別人みたいで怖い。
「俺が全部上書きしてあげる。番犬の役目もキスも…セックスも」
──────っっ、
パチンッ、
手を弾き飛ばした。
「……私戻るね。パパに怒られるかもしれないから」
違う。…私の知ってる留華じゃない。
優しくて太陽みたいだった人じゃない。
脱げかけの浴衣を直すより先に、戸を開けた時、背後から勢いよく閉められた。私の耳元で留華の息遣いが聞こえる。
「俺から逃げる気?」
──────真逆だ。


