「少し瞳孔が開いた…したんだな?」
「ち、がうよっ」
痛っ…!
留華に掴まれている頬がさっきよりも強くなった。
……湊だってこんな力じゃなかった。
「俺の質問に答えろ。どうなんだ?お嬢」
黒く重たい圧。冷たい視線。
こんなの、私知らない。
「いつ?どこで?どうやってヤられた?」
「っ……わ、かんな…」
「分からないわけが……、」
留華は口元を抑え何かを考え込む。
「あの時の…?」と呟き笑顔を向けた。
「虫刺されたって言ってたね」
…え?なんで今そんな話…、
浴衣の襟を掴んだ留華が思いっきり引っ張り落とした。
「なっ…!?」
隠すことが出来ないまま、留華の手が肩から背中へ回る。噛まれたところに指が触れる。
ズキンッ!
触れるたびに痛みが走っていく。
……っ、湊も。こんな痛み…ううん、それ以上に…。
留華に痒いかと聞かれ、左右に首を振った。痒みよりも痛みの方が上だ。それを見た留華は「あー…やっぱりか」と冷めた目を向ける。
「これはね、ただの虫じゃないよ」
「…ッ、そうなの?」
「それ以上に悪い…いや、屑で最低な虫──────、あの東雲兄弟が付けたものだろうね」
…え?
「和と…湊が付けたって、どうやって…?」
後ろに押され、バランスを崩した。ベッドに倒れるように尻餅を付くと、私の後を追うように留華もベッドに足を乗せる。
足を持ち上げられ浴衣の間から覗いた太ももへ、留華の顔が近付く。
……な、に?
「教えてあげるから……しっかり見てて」
──────え?


