頭から消えない二人の顔。
「────────いらっしゃい」
ハッとして我に返った。
そこは留華の部屋だった。
私より殺風景な部屋は、ベッドとパソコンが乗った机、椅子だけしかなかった。
小さい頃に来た時は、もう少し物が沢山あった気がしたけど。今はほとんどないんだね。
「面白い物なんて無いよ」
周りを見過ぎたのか、照れ笑いした留華が言った。
私は左右に首を振って少しだけ笑う。
「ここ留華の匂いがして好き」
香水とは違う、留華の匂いが沢山する。留華の匂いって凄く落ち着く気がするの。
「……っ、またすぐそうやって…」
腕を引かれ抱きしめられた。
包まれた身体が暖かい。
「さっきはごめん。急にあんな事して」
何のことか分からず、きょとんとする私に留華は笑って、私の唇を指でなぞった。
…………あっ、
「嫌じゃなかった?」
「え!?…あ、えっと」
そんな事は無かったけど…。
────────なんか、違う気がして。


