「………る、か…」
「王子は俺でしょ」
あの時の事…覚えてたの?
「っ、!!」
和が留華の胸倉に掴みかかった。慌てて私は和を引っ張るがビクともしない。
「和…!」
「お嬢、危ないから下がってて」
そんな悠長に構えてる場合…!?
「俺は別に無理矢理お嬢にしたわけじゃない。お前等も見てただろ?」
「っ…ふざけ…!」
「お前の弟はどうなんだ?お嬢が傷付けるぐらい嫌がられたって事じゃないのか?」
和は手を離すと、直ぐに私の方を向いて肩を掴む。
「…っ、お嬢、」
──────湊と同じ顔。
辛そうで泣きそうな顔だ。
……胸が痛い。
和の肩を掴む留華の手に、和は顔をしかめた。かなり強く留華が和の肩を掴んでいるみたいだ。
「お嬢、東雲兄弟なんかいなくていいだろ?お嬢にはもう……俺がいる」
嬉しいって思うべきだと思う。
だって、留華は初恋の人だった。
ずっと待っていた人だから…喜んでいるべきだ。
でも………、
唇を抑え、俯く。


