天然お嬢と双子の番犬さん

殺気。


湊は和より怖い。私の前でもお構いなしで本気を出すからかもしれないけど。私の中で本気で怒ったら怖いのは湊だと思ってる。



「み、なと!」



顔を上げ、人差し指を出す。


「怖い顔しない!」

「…生まれつきだ」

「でも和はいつも笑顔だよ?」

「………あれは別」


双子なのに!?

濁す顔をした丞くんが腕を組む。



「…初めまして。いや、学校では何度も会ってる、になるな」



ニコッと笑って。



「花の”お兄さん”?」


「………は?」



怖い顔を更に怖い顔へ。
気の抜けたような低い声が風に乗る。

湊が見てるのは丞くんの方。


「ふざけてんのか?」


ピリッ…、
空気が痛い。

それでも春比古くんと丞くんが動じないのは、きっと同じ空間で、同じ空気を何度も感じているからだと思う。…私はちょっと吃驚したけど。


「ふざけたつもりは無い」


こんなピリピリ感でも笑いながら話せるなんて…丞くんはどうやら凄いらしい。

流石は全国No.2なだけあるなぁ。
…なんてね。


「俺が言ったわけじゃないしな」

「…どういうことだ」


一瞬目が合って、ニコッと微笑んだ。



「花が俺にそう言ったからそれを教えてあげた…それだけだ」