天然お嬢と双子の番犬さん



「こんな所で何してんだ」



この声は。


顔を上げなくても分かる。
それでもバッと上げた。



「湊!」



春比古くんと丞くんは目をぱちくりさせた。どうやら近付く湊に気が付かなかった事を驚いているみたい。



「なんで言う事聞かねぇ…、」



むぎゅっ。


春比古くんと丞くんの手に力が抜けたタイミングで、飛びつき気味に抱き着いた。
大丈夫。絶対受け止めてくれるって分かってるから飛び込めるの。



「…っ、お、嬢」

「会いたかった!」



こんな偶然ってあるのかな。
だって、さっきまで考えてた人に会えた。


「今ね、リンを探してたんだけど…」


さっき逃げちゃったんだよね…。


「部屋にいねぇのか?」

「うん…それでリンが他の人に引っ搔いたりするんじゃないかなぁって思って、居ても立っても居られなくて…」


リンってば怖いもの無いんだから。本当にやりそうで怖いんだよね…はは。


「湊はお仕事終わり?もう少し一緒にいれる?」

「……ああ、」


やった!



「っ…、花!」



春比古くんが叫んだ。



「なんでそっち、」

「──────おい」



腰を抱き寄せられて、更に近付いた距離。
春比古くんと丞くんを交互に見る湊。



「気安く呼ぶな」

「「ッ…、」」