靡く紺色の髪。
きらりと輝く瞳と薄桃色の唇。
「────花、」
「…丞くん?」
西園寺丞くんだった。
近付く彼が目の前に。手を引っ張られ胸の中にすっぽりと収まった。
「え…っと!丞くんがどうして…!」
西園寺組は敵対してるって湊が言ってたのに!こんな所に居たら危ないんじゃ…!
と、いうか!全然押し返せないんだけど!?
「聞いてなかったのか?」
「え?」
なにを??
丞くんがフッと笑い、顎を持ち上げられた。背の高い丞くんを下から見ている。
「西園寺組は五十嵐組と同盟を組むことになったんだよ」
パパがさっき言っていた…あの組って。
屈んだ丞くんの唇が額に触れた。
「今日からよろしく、花」
小さなリップ音と柔らかい感触。それに私は目をぱちくりさせて頷いた。
「もう逃げられないよ、はーな」
丞くんの小さな言葉と不敵な笑みは、驚いていた私には全く気付かなかった。


