天然お嬢と双子の番犬さん




話しかけるなオーラの湊。流石若頭…尋常ではないオーラを纏っている。しかし動じない和、それから構わず寝ている花。

和が花を愛おしそうに見つめてる。


「…あんな物にサインするんじゃなかった」

「ハッ…サインしてなきゃ今頃、お嬢の隣にいねぇよ」


湊が花を包むように抱きかかえ立ち上がった。袖を握られていた和も同じく立ち上がる。


部屋に戻る道中、柱に寄り掛かる男…留華がいた。煙草を咥えており、持っている銀色の携帯灰皿には既に二本押し付けられていた。

三本目も押し付け懐にそれを仕舞うと腕を組む。



「随分遅かったな」


「お嬢が中々離してくれなかったんだよね」



留華は眉間にしわを寄せる。

握らせたものではなく、花が自分で握っているのが分かったからだ。



「…離れろ」


「お嬢が離さねぇんだよ」



これ見よがしに言う二人に留華は不機嫌になっているようだった。しかしある気配でそれも無くなる。



「…こんなとこで何してやがる」



五十嵐組組長、五十嵐竜二。
竜二は留華の横を通り過ぎ、二人から花を奪い返す。寝顔の花を見てにんまり。



「秋季の言う通り、花は本当に千夏にそっくりだ…俺が唯一愛した女に、」



額にキスをした。


花に対する優しげな瞳から一変。
鋭い目付きで三人を見る。


「吞んでたんじゃなかった?」


和がそう言うと竜二はフッと笑った。


「興ざめだ」

「…そんなに吞めなかったのか?あいつ等」


留華の言葉に左右に首を振る。片手にはスマートフォン。画面はメールが表示されている。


”集会を開く”
その一言のみ。


「祭りは終いだ。五十嵐組の集会を行う。世界中の傘下をここに呼べ」


「「了解」」


「…好的」




***