天然お嬢と双子の番犬さん


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花が湊に寄り掛かり、二人の浴衣の袖を強く握って眠っている。和はそんな花の頬を何度も撫でていた。


「……あれってどっち?」


寝ている花を気遣い煙草の箱を懐に仕舞う湊に和が言った。


「…は?」

「だって見たか?あのお嬢。危うく理性飛ぶとこだったけど?」


”また始まった”そんな顔の湊が大きく溜息を吐く。それでも構わず続ける和。



「ずっとこの顔が嫌いだったけど…お嬢があんな可愛い顔するなら、この顔で良かったよね」


「…散々遊んだろ。この顔で」


「昔の話ね?今はお嬢一筋だから大丈夫」


「そういう問題か?」



寝息をたてる花は、そんな事知る余地もない。



「それにしても…、」



和が花の襟を肩まで下げた。
現れる歯型の付いた白い肌。


湊が舌打ちをした。



「血が出てんじゃねーか」

「…傷薬塗っておこうか」



和が半透明色の薬を塗っていく。花はその度に体をビクッと反応させた。