だけど今度は痛くなかった。
リップ音が背中から聞こえる。
「る…か…?」
拍子抜けしてしまった。
「……ごめん。お嬢、ごめん…」
左肩に埋もれる留華の頭。握られている手首から震えてるのが伝わってくる。
「大丈夫!私強いから!イタクナイ!」
「……強がり過ぎ」
ば…ばれてる!
本当は凄く凄く痛い。
分からないようにしてたけど。
留華にはバレていたみたい。
「…怖がらせてごめん」
「大丈夫!こんなのへっちゃら!」
「……あんな事があってすぐだ。怖くないわけないだろ」
「え?そうなの!?」
私の答えに驚き黙り込む留華がいる。顔は見えないけど多分「え」って顔してると思う。
ゴホンと喉を整える。
「だって留華だから。ちょっとは怖かったけど…留華だって分かってたから。もう怖い事なんて忘れてちゃった」
何回か一瞬だけ、怖い時はあったけど。昨日のに比べたら全然怖くなかった。
知らない人にされるのと、知ってる人にされるのって全然違うんだね。
………痛いものは痛いけど。


