「「…お嬢」」
和と湊の声だった。
っっ──────…!
「やまっ…んぐっ!」
口の中に入ってくる人差し指と中指。留華の指だった。
話せない。舌の上に乗っている指が邪魔で上手く…。
「噛んでいいよ」
閉められない口のせいで唾液が溢れて流れた。白いシーツにポタポタと落ちて行く。囁く留華の声が大きく聞こえる。
「指を千切るぐらい噛まないと俺は離れる気はない…だから本気で噛んでいいよ」
「っっ、」
「ほら、早く噛みなよ。あいつ等居なくなるよ?」
「っ、んんー…!」
ほんの少しだけ口を閉じそうになった…でも止める。
廊下から二人の会話がぼんやりと聞こえてきた。
「…明日出直すか」
そんな小さな声と共に足音がした。
居なくなった気配でも感じたのか、留華が指を出してくれた。ケホッと咳が出た。


