天然お嬢と双子の番犬さん




二人が私のお世話係になったのは、あの人が行ってからだった。


若頭だったあの人が居なくなって、次の若頭になったのが和と湊。その時はまだ一緒にはいなかったけど。

中学二年生の頃かな?二人が私に付き添ってくれるようになったのは。


…無理矢理だったのかな。

私が我儘ばっか言うから、パパが心配して二人を傍に置いてくれた。きっと和と湊にとってそれは迷惑だったんだ。


「ッ、違う!!」


ビクッ!
湊の大声に目を見開いた。

和は私の涙を拭ってくれた。


「僕達が親父に頼んだんだよ。お嬢の傍に置いてほしいって」

「それなら…!」


どうして私から離れようとするの?



「…親父との約束を破った」

「先に破ったのは私だよ!」


手を離すな、と言われていたのに。振り解いてしまった。


「違う…違うんだよ」


眉がわずかに動く。悲しい顔…もしかしたら辛い方かもしれない。二人にそんな顔をさせたのは私のせいだ。

手を離したら本当に離れて行きそうな気がしてならない。


「……覚えてる?私の怖いものの話…」

「…ああ、」


嫌だよ。
離れたくない。


「私…もっと二人の傍に居たいよ…」


涙が溢れて止まらない。

和と湊が何処かに行っちゃうんじゃないかって、そう思うだけで悲しくて辛かった。


「お嬢、僕達は……、」

「嫌だよ!」


その先を聞くのが怖かった。だから言葉を遮った。



「お願いだから…私から離れて行かないで…」



怖いの。またあの人みたいに。居なくなったら、どうしたらいいの。