体が重い、背中と太ももがまだ痛む。
「ん…、」
目を開けた時、よく知っている天井だった。襖を開ける音がして視線を向けると、パパと白衣を着た先生がいた。
「っ…!花!」
「…ぱぱ?」
手を握るパパは凄く泣いていた。
そんなパパの脳天に鉄拳が落ちる。
「病人が興奮したらどうするんですか。竜二」
「…な、にすんだ!秋季!」
「医師として言っているんですよ。早く離れてください。診察します」
…酒井先生だ。
酒井 秋季先生。パパの同級生で五十嵐組の担当医師。本人はやぶ医者だって豪語してる。
でも、凄く優しい先生。
幼い頃からお世話になっていた。
「花ちゃん、痛い所とか何か気になる所とかありますか?」
色々診察された後、酒井先生が微笑む。
「大丈夫、です」
「背中と太ももは痛いみたいですね」
…バレた。
バレないようにしてたのに。
「塗り薬は出せますが、錠剤は出せません。治るまで少し辛抱して下さいね」
「秋季!花が痛がってるのに!なんで薬出さねぇんだ!」
「素人は黙りなさい。息の根止めますよ」
「………スミマセンデシタ…」
お医者さんを敵に回すのは危険だからね。こういう時は言う事聞かないと。


