「…お嬢?」
和が花の異変に気付く。湊のジャケットに包まれる花の顔を出した。
顔が赤く、息切れが激しい。
「ッ、おい豚野郎!」
湊がヤコポの胸倉を掴み持ち上げた。
「お嬢になにした?」
『な、なにも…ぶぇ!!!』
「日本語で言え、死にてぇか」
ヤコポの頬が赤く腫れ上がり、前歯が抜けた。
「っ…く、くすり…」
「あ゛?」
「ヒィ‼ふぇっくふとらっぐをいひじょう!」
歯が抜け、赤く腫れた頬のせいで何を言っているか分かりにくかった。
しかし和と湊は違った。
”セックスドラックを一錠”
竜二に言われていた薬の名だと把握したのだ。
「ッ、解毒薬を出せ!!」
「あ、あるふぁけ無いふぁろ!」
当たり前だ。媚薬に解毒薬なんて存在しないのだから。
「チッ!」
『フゴッ!!!!』
もう一発殴られたヤコポは気絶する。
『…お前等!手を挙げろ!』
隠しドアだろう、そこから出てきた金髪男は拳銃を構えていた。
どう考えても素手と拳銃では、向こうが有利。それでも五十嵐組の奴等は誰も驚かず、怯えなかった。
”騒ぐな”
強烈な全員からの殺気に金髪男が怯んだ。その隙を見逃すことなく、湊が男を殴り吹っ飛ばした。気絶したのを確認し、和と湊が巨漢の男に小さく声掛ける。
「ここは任せる」
「お嬢は俺等に任せろ」
その言葉を聞き、巨漢男は小さく「頼みます」と言った。


