攫われる対象になる私を嫌っていないのかって。
そしたらみんな笑ったの。
”そんな奴いるわけない”って。
「むしろ俺達がお嬢に聞きたいよ。毎回攫われそうになるのは俺達のせいなのに嫌わないの、って」
そう言って彼は笑った。茶色にハイライトが特徴的なマッシュヘアーの彼。
ずっと傍に居てくれた彼とみんなが笑って言ったの。
”いるわけない、そんな奴は五十嵐組には絶対いない”って。
──────でも、和と湊には聞いた事無かったなぁ。
もっと早く聞いておけばよかった。
息が切れる、体がだるい。
ヤコポと金髪の人以外にも沢山人がいる事が分かった。仲間が沢山いたんだ。
…大丈夫、来るから。みんなが、和と湊が来てくれるから。
それまでは………、
ガクン。
意図せず膝が曲がり、尻もちをついた。だけど構えるのだけは辞めなかった。
話し声が聞こえる。
だけど良く分からない。
熱くて気持ち悪くて、目がかすんでいた。


