「あ、やっと起きたね!」
見覚えのない太った男の人がいる。
…誰だろう?
初めて見たけど。
「五十嵐花ちゃんだよね?」
私の名前知ってるの?
…もしかして、五十嵐組と関連のある人?
男の人は笑顔で頭を下げた。
あ、この人頭のてっぺん禿げてる。
「僕はヤコポって言うんだ。イタリア系マフィア、ルーフス。ボスの息子って言う感じかな?」
ルーフスって…。
前に結婚がとか言ってた所の名前?
息子…ってあれ?
この人かなり歳を取ってる感じがするけど…本当に?
「あれ、日本語間違ってた?ごめんね。まだ勉強中で」
ヤコポという男は乾いた笑いをした。
「ま、間違っては無いです」
「本当!良かった!日本語って難しいから反応してくれないと困るかな」
手を取ろうとしたので瞬時に逃げる。
「ここ、何処ですか?」
「ここは日本の隠れ家だよ。花ちゃんに喜んで貰おうと思って、ピンクいっぱい入れたんだ。どう?女の子好きでしょ?こういうの」
好きって…個人差がある気がするけど。正直私は好きじゃないタイプ。
ヤコポが退けた先にも沢山のピンク色の家具で溢れてた。ハート型の物とか赤とピンク色の色違いの写真たてとか。そういうものが沢山。
そしてもう一つ中心に飾ってある物に驚く。
「あー!これ?やっぱり女の子の憧れだよね!」
ウエディングドレス。
膝上ぐらいの短い物だった。
「僕脚フェチだから、短いのが良かったんだ」
「え…っと。誰が着るんですか?」
そう言うとヤコポは驚いた後、冗談っぽく笑った。
「そんなの花ちゃんしかいないよ~」
「えぇ!?ごめんなさい!お断りします!?」
即答、沈黙。


